ディバイデッド・フロント (3)
2005年3月12日 読書
「北関東隔離戦区」――それは、異形の怪物"憑魔"に寄生されたがゆえ、完全隔離下で戦うことを宿命づけられた少年少女たちの戦場。その地獄の中で生駒を失い、失意の底にいた英次やイチル、宮沢たち「イコマ小隊」に新たな隊長が着任した。国民的英雄にしてイチルのかつての恋人・朝霧和磨だ。だがそれは、人類と憑魔という二つの"種"にとって、最悪な出会いの始まりだった――！
鬼才の放つ切なき戦場の物語、劇的に完結！
鴉さんの言葉じゃないですけど、ほんと、角川スニーカー久々の大当たりでした。買って正解。三冊まとめて買え！と自信を持ってお勧めします（’’*
『天槍の下のバシレイス まれびとの棺』（電撃文庫）に非常に良く似た作品でした。いや、こっちの方がもとは古いんですけどw
あー…非常に良く似た、という言い方は正確じゃないかもしれません。世界観、背景…が似ていると言うべきでしょうか。
突如として現れた異形の怪物によって崩壊した世界。そして残されているのかどうかわからない微かな希望にかじり付いて戦う少年少女達。でも現実はとてつもなく過酷で厳しくて。そこには絶望しか感じられなくて。
それでも少年少女達は戦い続けるのです。異形の怪物達と、そして自らの心と。
作者の後書きの言葉を借りますと、たとえ世界がどのような形で存在するにせよ、「世界が絶望的な状況である事」と、「世界に絶望する事」との間には巨大な隔たりがあるのです。どんなに過酷な状況下にあろうと、その世界に屈するか屈しないかは世界と向き合う一人一人に委ねられているのです。
皆さん、どうぞディバイデッド・フロントの登場人物各々を感じとってください（’’*
ラストは…この終わり方があって少し救われたような気がします。勿論、良い意味で。感動の涙って美しい（ぉぃ
あとは素敵なイラストが物語を一層楽しませてくれました。
イラストの山田秀樹さんにも敬礼。
素敵に描かれている登場人物達に惚れること間違いなし。愛。
http://www.geocities.co.jp/Milano-Aoyama/4007/
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