ISBN:4086302241 文庫 海原 零 集英社 2005/02 ¥600
はじめまして。わたしの名前は桜野ヨーコ、12歳。高島コーチ夫妻及び姉である桜野タズサと同居中。スピンが得意で、将来有望な、ノービスクラスのフィギュアスケーターのはずなんだけど……実は1度も優勝したことがない。ライバルの神尾来夢との力の差は歴然としてるのに、マスコミの注目度だけはトップクラス! これでは全然お話にならない……あの"偉大なるバカ姉貴"の妹である以上――。

今回は今までとちょっと視点が代わり、主人公はタズサの7歳下、小学校6年生のヨーコとなります。年齢の割りにマセてて、精神的にも大人な彼女は、良くも悪くもタズサの妹と言うことで注目度はNO.1。勿論、スケートの腕前だって十分なものを持っています。ノービスクラスで頭一つ飛びぬけている来夢にはまだまだ及ばないとは言え。
しかしながら、世間やメディアは放っては置きません。なんたって、あの最強ヒールの呼び声高いタズサの妹なんですから…。
上手く滑れば、やっぱりタズサの妹だ。失敗したら、タズサの妹の癖に。今日は桜野タズサの妹が滑るから客席は満員。
そして特に一部のメディアに至っては、あのタズサの妹だからという理由で、なんとか姉妹共々、ヨーコまでも悪者にしてやろうと意地悪な質問をぶつけてきたりしちゃいます。

これがタズサなら…タズサぐらい実力があれば…。そう思ってしまうのは至って普通の思考回路。そしてそんな思考は、ネガティブな悪循環を引き起こしてしまいます。

果たして桜野ヨーコは全日本選手権ノービスクラスで、ライバル来夢に勝てるのか。一皮向けることが出来るのか?!そしてまた、ヨーコの恋の行方は?!

そんなお話です。

1巻2巻はタズサのシングルでの戦い。3巻はタズサの1シーズン限りのペア転向の話。そして4巻は妹視点と、ここまで全く飽きさせない銀盤カレイドスコープです。

これまではかなり特異な性格のタズサの視点からの描写でしたが、今回はその妹(多分一般的な性格)の視点からのお話。これがまた良かった。タズサを客観的に見つめることが出来たし、本当に作者の力量には感心させられます。ヨーコの心の細かい揺れ動きの描写なんて最高ですよね!

フィギュアスケートという独特なスポーツのスポ根ストーリーであり、その描写には多少の想像力を要するかもしれませんが、またその一方で細心の注意を払って描かれる心理描写には、思わず自らもシンクロしてしまいそうになります(笑)

ちょっと下品で個人的大爆笑も誘ってくれた第4巻。既巻と併せて是非読んでみて欲しい一冊です。

9月22日発売の5巻。冬に発売予定の6巻。
そして10月からのアニメにも目が離せません☆

参考
紹介サイト
http://dash.shueisha.co.jp/-ginban/
アニメ予告
http://www.sonymusic.co.jp/Animation/ginban/

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Rei

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