ISBN:4840234507 文庫 橋本 紡 メディアワークス 2006/06 ¥536
珠玉の『半月』短編集第1弾! 書き下ろしも加え四篇収録!!
 秋。里香にとって初めての文化祭──山上祭。裕一はまったくやる気がなく、だらけにだらけていた。だが山西に無理やり引っ張られていった視聴覚室では『古典ロシア映画上映会』なるものが始まろうとしていて、それはつまり先生にバレたら停学もののいわゆるエ○ビデオ観賞会で、そこに先生が突入してきて……。一方里香は、みゆきと共に演劇部の練習を見学していた。そこで部長の柿崎に、ある目的で声をかけられ──。
 書き下ろし番外編『雨 fandango』の前編に、『気持ちの置き場所』『君は猫缶を食えるかい?』『金色の思い出』の番外編三篇を加えた『半月』短編集第1弾。第2弾は8月発売。
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?cd=A0600880

○『雨 fandango』(前編)
里香、裕一達の学園祭。里香は舞台女優デビューか?裕一は相変わらず山西達と馬鹿やって大ピンチ。一方、ほぼ同時刻、病院では夏目、亜希子それぞれの一人称のシーンも。短編なのに少々あれもこれもで移り気すぎか?いや、おそらく後編へ向けての伏線であろう。後編が待ち遠しい。
時間軸としては唯一、本編のその後のお話。

○『気持ちの置き場所』
谷崎亜希子がメインのお話。時間軸としてはまだ裕一と里香が出逢ったばかりの頃。正直この話はよく分からなかった。亜希子にスポットを当てたかったのなら、もう少し走り屋時代の頃の…(略・笑)いや、でも結局、中原さんのポジションが曖昧すぎて…。亜希子もプッシュしたい派としては、いささか物足りない感じがしました。

○『君は猫缶を食えるかい?』
裕一と司と山西が馬鹿やるお話。つまりは、腹が減ったので猫缶を食べようと…。いや、パスタにからめるぐらいならパスタそのまま食べろよ。カップ麺あるならそれで十分だろ。気付けよ、おまえらw
ツッコミどころ満載で取るに足らない馬鹿話かと思いきや、後半のオチにちょっとだけ感動。こういうところが橋本紡センセの上手いところだと思う。

○『金色の思い出』
気持の〜、猫缶〜と同様、時間軸は裕一が入院したばかりの頃。だから里香とも出逢ったばかりの頃かな。本来の「半月」の雰囲気に最も近いお話。すなわち、死を意識する里香、彼女のことが気にかかる裕一、両者の相対する父親への想いが二人を繋ぐ。そして最後はちょっとだけ二人の距離が縮まるお話。

7巻となっているけど、当然のごとく、完結した本編の外伝というスタンスなのでこれだけ読んでも意味分かりません(笑)
「半月」1〜6巻までを読んだ後にドウゾ。

6巻
http://diarynote.jp/d/59319/20060221/
5巻
http://diarynote.jp/d/59319/20050913/
4巻
http://diarynote.jp/d/59319/20050214/

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Rei

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