ISBN:4041305217 文庫 筒井 康隆 角川書店 ¥460
放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている――そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。
思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。わたしたちの胸をときめかせる永遠の物語もまた時をこえる。

先月、劇場版「時をかける少女」を見に行った時、面白かったのでパンフレットと一緒に、原作の新装版も買いました。
劇場版の感想は9月11日の日記で。
http://diarynote.jp/d/59319/20060911.html

原作初版は昭和51年2月発行。
なるほど…文体が古いわけだ(笑)
私も幼い頃、江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズなどは大好きでしたが、今じゃあとてもじゃないけど文体が古臭すぎて読む気が起きません。いや、一旦読み始めたらそれはそれで止まらないんでしょうけど(笑)
本作もそんな感じです。特にライトノベルばかりを最近読んでる所為もあってか、淡々とした文章がとても退屈で、でも読みやすくて読み始めたら止まらない文体というか…。

それはともかく。
本作品には「時をかける少女」「悪夢の真相」「果てしなき多元宇宙」と3つの作品が掲載されています。
「時をかける少女」と「悪夢の真相」は非常に面白く読めました。
「時をかける少女」は基本的には映画とストーリーは同じです。…当然ですが。ただ登場人物、時代が違います。
別れのシーンは……やっぱり断然映画の方が良かったなぁ…。
「悪夢の真相」は3作品の中では個人的にベストでした。こういったホラーっぽいものは、作品が新しかろうが古かろうが共通に鬼気迫るものが感じられます。(…というのは大袈裟すぎるかな?)
「果てしなき多元宇宙」だけは終わり方も中途半端で不満あり。

最後後書きには、「時をかける少女」の文彩(フィギュール)と題して、"時かけ"の歴史が綴られています。

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Rei

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