ISBN:4840236402 文庫 来楽 零 メディアワークス ¥662
弱っていた水藤深矢の体は、次第に回復し始めていた。だがそれと同時に、彼は精神的な不安定さを見せるようになる。一方、矢代純の体にも異変が起きていた。時折かすむ目、長い間忘れていた気温に対する人間的な感覚。そんなとき、彼らが住む町で子供が行方不明になる事件が起きる。消えた子供たちの間に広まっていた妙な噂。彼らはある文章をお告げとして信じていた。
『願いがあるならば、階段を上れ』
この事件に<モノ>が関係しているのではないかと疑った純たちは、真相を追って動き始める。第12回電撃小説大賞<金賞>受賞作シリーズ第3弾!!
―帯―
俺たちはまた飢えるよ。その時、君はどうする?
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?cd=A0602790

第3弾も秀逸。良作、秀作も3作続くともはや名作と呼んでも差し支えないだろうと思うわけで、個人的にはこれで「哀しみキメラ」は名作入りしました。殿堂入りするか否かは、次の最終巻に委ねられるでしょう(笑)

さて、今回は上述のように、小学生の中で流行っていた奇妙な"お告げ"、実はそれに<モノ>が絡んでいた…というお話ですが、スピーディなストーリー展開とちょっぴりドキドキするホラー性は相変わらず素晴らしいです。また、難しい年頃の小学生達それぞれの切羽詰った心理描写の上手さもさることながら、このシリーズの最重要ポイントとも言える、主人公達の自分達が人に在らざるモノに変化していくことに対する恐れ、混乱、不安といった負の感情描写は流石です。本当に切ないです。

そして事件解決後…まさかあんな展開になるとは思ってもいませんでした。最終巻、待ち遠しいです。

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Rei

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